DESIGNMAP

  1. TOP
  2. ブックレビュー
  3. 『〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る』

『〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る』

Amy Cuddy『Presence Bringing Your Boldest Self to Your Biggest Challenges』(2015)の翻訳書。著者のエイミー・カディはハーバード・ビジネス・スクールの准教授で、ボディランゲージなどの非言語コミュニケーションを研究している。

2012年にエイミーがTEDで講演した「ボディランゲージが人を作る」が世界中で話題になった。TEDは広める価値のあるアイデアをスローガンに様々な専門分野の人々が講演するプレゼンテーションのイベントである。このエイミーの講演は再生回数が3,500万回を超えて、TEDの中でも歴代2位の記録をもつ。2015年にNHKのEテレ「スーパープレゼンテーション」でも放送されたので日本でもご存知の方も多いだろう。

エイミー・カディ 「ボディランゲージが人を作る」 | TED Talk | TED.com
https://www.ted.com/talks/amy_cuddy_your_body_language_shapes_who_you_are?language=ja

パワーポーズというのは、腕を腰にあてて、胸をはって、あごを少しあげたポーズである。もしくは腕を上にあげた勝利のポーズである。自分を広くみせるポーズである。このポーズは文化に関係なく人間や動物に遺伝的に組み込まれている。動物が敵の前で大きく見せるポーズである。面接などのプレッシャーがかかる場面の前にこのポーズを2分間試すと、結果にこだわらず、本来の自分の力がでるようになる。実際に唾液をとると、パワーポーズをとると、ホルモンレベルで変化がおこり、ストレスに強くなる。

一方で人がパワーを失ったポーズも文化を超えて普遍的に共通している。体をまるめて小さくみせるポーズである。顔はうつむきうなだれている状態だ。

心理学者のウイリアム・ジェームズ(1842-1910)はかつて「幸せだから歌うのではない。歌うから幸せなのだ」「泣くから悲しい、殴るから怒る、震えるから怖い」という仮説をとなえた。

その後、様々な実験例がウイリアム・ジェームズの仮説が正しかったことを裏付けていく。表情、姿勢、呼吸、動きが、自分の思考、感情、行動に影響を与えているのだ。意識的に自分の姿勢を注意することで、自分の人生をよい方向にもってゆくことができる。

おもしろいのは、実際にパワーポーズをしなくても、頭の中でイメージするだけでも効果がある点だ。これはTEDでの講演の後に多くの方から頭の中だけで想像しただけでも効果はあるのではという質問をもらい実験で確かめた。

本書では多くの研究例が紹介されている。そのなかでも印象に残ったのはエマ・セッパラの研究例で、PTSを抱える元兵士を対象に、身体から心にはたらきかけるアプローチをおこなった例である。呼吸法をとりいれることで、不安や衝動的な行動を抑制できたという。PTSの治療法は「思考が行動をひきだす」という考えのもとに認知行動療法の暴露療法(トラウマ体験を思い出し、受け止め、追体験させることで認知の歪みを直す療法)がされていた。

スポンサーリンク

プロフィール

DESIGNMAP
制作ディレクター。
お問い合わせ