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『DRAFT 宮田識 仕事の流儀』

企業のブランディングデザインをおこなう株式会社ドラフトの代表である宮田識さんの言葉をまとめた本。

ドラフトのつくるデザインは必然性をもつ美しさをもつ。そしてモスバーガーの仕事のように長期にわたって心に残るブランドをつくるという印象がある。

近年ではドラフト出身者のアートディレクターが独立してめざましい活躍をされている。第3章にドラフト卒業生の座談会が収録されている。

宮田さんの言葉は若いデザイナーだけではなく、経営者やビジネスマンにも向けている。
デザイナーを選ぶことの重要性や、みんながデザイナーであることを分かりやすく伝えている。デザインとはスタイルだけではなく、もっと広く人や企業とって根源的な活動なのである。

第2章の事例で紹介されている生茶の事例に圧倒される。
何度もクライアントと議論を重ねていき、新しい製法の提案からかかわっている。最終的にはパッケージ、広告、営業用のツール、CMまでをトータルにデザインしている。パッケージを担当したデザイナーはクライアントの研究所まで訪ね、新しい形状のペットボトルを開発している。

コンセプトにしっかり時間をかけるからブレない必然性の高いアウトプットができるのだ。

ドラフトは単にクライアントのオリエンテーションをきいて、何案かデザインをするようなやり方をとらない。そもそも会社の商品がどうありたいあのか、なぜ社会にとって必要なのかなどの根本から顧客と取り組んでいく。

そのために工場、生産地、ショップ、研究所、社長にも訪ねてクライアントのことをよく知ろうとする。

宮田さんは何を伝えたいのかを整理するときにステートメントをつくるという。
ステートメントは顧客に向けて書く短い手紙で、商品やサービスをどういう思いで作ったか、何を届けたいかを書いた手紙である。これを400字から800字で書くという。

これを書くことにより、「です・ます」調なのか、「だ・である」調なのか、優しい感じなのか、真面目なのかなどの個性や空気感が決まってくる。クライアントにもらった企画書やオリエンシートをもとに自分で解釈してステートメントをつくり、クライアントにみせるという。

ドラフトは代理店経由の仕事をしない。ブランディングという言葉があるはるか以前から、商品開発を含めた総合的な取り組みをやってきた。タフとしかいいようがない。

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